「敷居は踏まない」と怒られた経験がありますか?
調べると諸説あります。
実利的には踏むと建付けが悪くなるというのが今回の事例では合致します。
結構踏まれて角が削れたドア枠下の敷居です。ドアだと本来の名称は沓摺(くつずり)というそうです。
沓摺沓摺付近を踏むとギュギュっと鳴きます。
歩くたびにギュギュっと鳴るのは気持ち悪いです。そして古めかしい感じがします。
ずっとリフォーム作業をしていて行き来する度にギュギュっと鳴かれると、そのたびに古めかしさが廊下に響き、進めたリフォーム作業も巻き戻された感覚になってしまいます。
これで気落ちしそうになるぐらいといっても過言でありません。このままでは、住む人も嫌になるでしょう。
なので、今回も何とかします。。。
まず音がなっている仕組みを解明しなければなりません。
沓摺の真ん中あたりからなっている感じがします。
そこで、付近の床を剥がしました。この床は傷んでいるので、どのみちリフォームされる部分ですから多少壊しても大丈夫です。
沓摺の上部板は厚さ3cm厚ぐらいで、その下は縦板をはめ込んだ縦板です。
その板は浮いた状態になっており、剥がした床板からみると隙間になっていました。
沓摺は真ん中を踏むと下方に沈み込む感じがしますので、この縦板の下の隙間をパテで埋めて沈み込みを防いでみました。
真ん中は沈む感じがしなくなり音も少なくなりましたが、まだ鳴きます。
耳を澄ませてみると縦板の片端の下方が鳴っています。その部分の縦板を押すと凹みました。
動きますね。縦板は完全に固定されていません。
なら、固定します。
端の別の板に渡すよう斜めにネジを入れました。
これで縦板は結構固定され、鳴きが少なくなりました。
しかし、強く踏み込むとまだ小さくキュと鳴きます。
これで最後の鳴きの構造が想像できてきました。
縦板の向かって右手の方が、少し動いてその下に潜り込んだ床板の防音用ゴムに擦れて鳴いているようです。
そのため、この部分の床板を取り去って、ゴムとの擦れを解消すべきと思ったのですが、この辺りの床板パーツが大きくて、容易に剥がせそうでなかったので、隙間にパテを埋め、さらに動かないようにしました。
二晩乾かした後にヘラを外して沓摺を踏んでみます。
踏んだ瞬間「硬い、これはいける」と思いました。
今までふにゃっとした感じでしたが硬さを感じます。びくともしない状態になりました。
そして懸念事項だった音・・鳴きません。
この沓摺を行き来する度にギュギュっと鳴いていましたが静かです。
今回も何とかなりました。見かけは悪いですが、ここは新たなパネルで隠れる予定ですから問題ありません。
それより音がないことで、いっきにボロさ感がなくなりました。
いやぁ~、中古でも程度の良し悪しは、筐体の鳴き音も大きく影響することを知ることになりました。
これで気持ちよくリフォームが再開できますし、今後住まわれる方も安心して過ごせることでしょう。
結局、この敷居はもとから建付けが悪く、沓摺を踏むことにより時限爆弾のごとく比較的早々に悪化したのではないかと思われます。見えないところをその場適当にしたからですね。今回処置したパテ埋めもその場的感じがありますが・・・また時間とともに悪化して鳴るかもしれません、パテが硬いのとネジ留めで何とかなるか、いや、縦板が柔く削れて同じ状態に戻ってくるかという懸念はあります。なので、やはり「敷居は踏まないでぇ。」(本末転倒)
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