八百万の森

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Victor SX-3 とりあえず音が正常に出るまで修理してみますか

前回、中古ショップから買ってきたSX-3を鳴らしてみて、いろいろな不具合が見つかりました。

1)アッテネータのガリ、2)ウーファーのレベル調整スイッチの接触不良、3)なんだか高音の定位が悪い感じという3点です。

とりあえず開けてみるしかないですな。

SX-3 Ⅰというか無印(初代)はトゥイーターの金属ネットが簡単に外せます。時計と反対周りに10度ほど回せば手前に抜けるようになっています。これがⅡ、Ⅲはできないようで、ネジを外すしかないようです。

といっても、トゥイーターは触らない方が安全、何年に1回か埃を取るときに便利という感じですね。

今回は、このトゥイーターを外して中を覗いてみようと思います。

ウーファーは、ゴムパッキンをこじ開ける必要があるそうで、面倒そうでしたのでやめました。

ネットは安全のため付けたまま、さらにウーファーのネットを保護するため段ボールを養生テープで固定したうえで、4本の+ネジを取ってみました。

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がっ!外れません。

ネットを取っ手代わりにして、あまり引っ張ると割れそうですので適度に、なんだか周りの黒い帯のような樹脂部分がエンクロージャーに引っ付いている感じがします。

ゴムハンマーでトントントントンしてみたりしたのですが、びくともしません!

指の爪が少し伸びてきていたので、それを隙間に入れて少しずつこじっていくと、パカー外れました。

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外れるとき、たまたま左手を添えていたので、落ちませんでしたが、マグネットが重く勢いよく飛び落ちる感じです。

よくみると、薄いコルクパッキンがネジ付近を中心にへばりついていました。

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一部は割れてスピーカー側に付いたり・・・

コルクパッキンはそのままにしておきます。またパッキンとして機能してもらいます。

トゥイーターが取れたら、ケーブルのプラスとマイナスを忘れないようカメラで撮ってから外しました。

これで中が覗けます。

・・といっても、吸音材がびっちりで覗けません。

トゥイーターの穴から手探りですべて取り出しました。取り出すときは吸音材のだいたいの位置状態も把握しながら出しました。

1枚は前面ウーファー全体に被さる感じでありましたね。

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これで、コネクタとスイッチ部分も外せますね。中に六角ネジがあって外からドライバだけでは空回りしますので、その六角ネジも穴から手を突っ込み押さえながら回す必要がありました。

背面のコネクタより下側を覗くと、基盤が四隅の木ネジ4本で固定されていました。

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それも外すとネットワーク基板が穴から取り出せるかとおもいきや、端子へのコードが短くて出ません。なので端子を一度外し、コードの半田を除去して一度外してやる必要がありました。

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コード付きでビローンと取り出した基板。

それで、絶対初期状態を保てていないコンデンサをラグ端子付近でカットします。その前に後から再組付けができるよう記録として配線状態をあらゆる角度から写真に撮っておきましょう。

抜き出したコンデンサの値を測ってみます。

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まったくもって初期状態でありありません。4μFが7.238μFです。容量は大きい値を示し、内部抵抗が上がっているようです。スピーカー左右でも値はまったく違いました。

だから、高音の定位がなくなるわけですね。

本来は6μFと4μFで合計10μFです。

コンデンサをどうしようかとパーツ屋さんに行くと、指月のメタライズドフィルムコンデンサ 250V 6.8μFと3.3μF があったのでこれで行くことにしました。合計10.1μFで最初のパーツより0.1μF容量が大きくなりますが差はわからない範囲ということで良いでしょう。

ちょっと奮発してしまいました。2200円で買ったスピーカーに2000円ほどかけてしまいました。

まぁいいか、指月の音が聞きたかったので。

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速攻交換完了です。

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アッテネーターは、つまみを引っこ抜くとゴムパッキンがありますので、パッキンを精密ドライバで引き出し取り払います。

このスピーカーのゴムパッキンは、前持ち主がここから無理やり油入り接点復活剤をぶっかけたようで、ゴムが油でボロボロガチガチに劣化していました。油の接点復活剤は金属の必要部分のみに与えられるようにしないと将来逆に部品を悪化させますので注意が必要です。

すると3つの+ネジが見えますがこれを外したくなりますが意味がありません。金色の輪っか付き樹脂をエンクロージャーに固定しているだけのネジです。アッテネーター自身は軸部分の六角ナットを外すことで、後ろ側(エンクロージャー内)にぽろっと外れます。

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アッテネーターは、接着式の分解しにくい物でしたので、端子隙間からサンハヤトの洗浄剤をぶっかけ(かつ軸のグリスに当たらないよう)、何度か回してて復活させました。これは脱脂傾向にあるので、この後に接点復活剤を適量吹いて、酸化防止の被膜を作った方が良いでしょう。

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ウーファーのスイッチも洗浄剤ぶっかけて接触不良をなくしました。

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これであとは早く聴きたいのでいっきに組み上げました。

でっ、音を出してみました。

おぉーっ!なんだ、なんだ、楽器の位置が見える。

演奏者の音がリアルな感じがする。数時間聴くにつれ、高音がさらに出始めてしっとりと元気に鳴るようになりました。

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これが指月かぁ。さらに何時間もかかるといわれますが、確かに日を追うごとにしっとり元気に鳴っていく感じがします。

とりあえず以前作製したスピーカーセレクタが3台切り替えることができるとおり、予定の3台目が揃った感じです。

迫力を持ちつつもFMラジオが聴きやすいfostexベースの自作スピーカー、オールマイティにバランスよく鳴るDALIのzensor1、そして、低音豊かで気持ちよく鳴る Victor SX-3 と揃いました。その時の気分やソースに合わせて切り替えながら聴くことができます。

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