6月のことです。外見綺麗でジャンクなプリメインアンプをハードにゃんたらというリサイクルショップで見つけました。
ジャンクで5,400円だったのですが、妙に自分に訴えてくるものがあって、整理がつくかつかないかの直感でレジに担いでいきました。
「スピーカーが片方鳴らないときがあります」というフレーズでした。修理は簡単そう(^_-)-☆/p>
あらためてこの製品について当時からの状況を兼ね整理しました。
このアンプは、初めて買ったビクターのプリメインアンプA-X100+(1982年)の後に発売された上位機種だったはず。「上位機種かっこええなぁほしいなぁ」とカタログだけ持って見ていただけのものでした。
VICTOR A-X900 ¥79,800(1985年)
あの時買えなかったものが今そこにあるのだよ!安いよ!って感覚に陥ったのでしょう。中古屋商売の罠だという葛藤もありましたが、嵌ってみました。
当時、品名で上級クラスな数字、お値中級クラスというような位置づけです。Victorの場合、さらに最上級クラスにA-X1000がありました。
外見は、フロントに金メッキの TAPE-3 入出力 端子がポイント(便利)(付属樹脂カバーは欠品)で、細く赤いインジケーターがチャーミングなブラックなアルミパネルです。ツマミもアルミ製です。同メーカーの1990年代の樹脂製フロントと比べると明らかに質感が上です。
持って帰ってスピーカーに接続してみると音は出ました。確かにスピーカーセレクタの位置によっては片チャンネルが鳴らないときがあります。単なるセレクターの接触不良のようです。
それでは、セレクター部品を磨いて終わり楽勝だなっと、作業をするにあたり中を開けてチェックしました。
ダイオードらしきものが光っています。自分にとってなぜ?という部品が光っていました。とりあえず、音が出ているし様子みるか・・・
セレクター部品は、フロントパネルから届くリモートコードの白色樹脂部分をグニグニと引っ張ると簡単に外れました。慣れています。AX-110にも同じ部品がありましたから。
はんだを除去して一度基板から取り外しました。
分解すると、結構、接点表面が炭化していました。
#1000の耐水ペーパーで綺麗に磨き、少量の接点復活剤も塗布してくみ上げ直しました。ピカピカになった接点。
これでスピーカーから綺麗な音が出るようになりました。
聴いてすぐに、ハッとしました。分離感、楽器の位置がわかる。雑味のない中高音、ボケない低音、ほかの楽器の裏に聞こえなかった小さな楽器の音がパッと出る感じがする。粒立ちが良い。ビクタートーンといわれる柔らかさは兼ね備えるが、眠くない。
ほめ過ぎたか、でもそんな感覚にとらわれました。
YAMAHAアンプの音色傾向にはまっていましたが、これをやめても良いと思いました。
また、久しぶりに良いもの見つけた('ω')よ、感激です。オーディオってこれがあるから楽しいです。
そんな思いで気をよくして、軽く中を掃除していると事故りました。
基板上に細い板があるのですが、根拠なしにアースグラウンドをもってのシールド版と思っていました。
すこし青錆がみえたのでドライバーの先でコスコスとして研磨していました。二つの板にあたったとたん、バーンって爆発的音が手元で発生しました(;^ω^)
幼少のころから電気と戯れる私はショートや感電=反射的に放す癖がついていますため、今回も自動的に反射神経で放す安全装置が働きました(汗)
あらためて回路図で確認すると、両端には90VぐらいのDC電位差がありました。テスターで測ってもその通り。私は、200VACと30VDCまでを扱うようにしよう。でないと死んでしまうな。と思うのでした。
板は溶けた部分欠落が微かにできましたが、言われないとわからない状態です。他にダメージはないようです。音は正常です。
再教訓:「電源は落として大容量コンデンサの放電を確認してから触りましょう」
聴けば良い音、動作チェックをしていくにつれ、他にボリウムを下げた時にかすかに小さなガリがありました。
光るダイオードみたいな部品は、回路図で確認するとツェナーダイオードと載っていました。
そうでしょ、外見どうみてもツェナーダイオードです。
赤色で良い感じの色合いで発光してました。
(赤い線の下方に見える光るツェナーダイオード)
なぜ光る?光るツェナー開発したらパイロットランプ機能みたいになって売れるかもよ!
というか、普通光っちゃいかんのだよ!逆にツェナーダイオードどうやったら光る?→光る現象を少しググってみましたがわかりませんでした。
壊れかけで微妙に接点されているとか?仮説立ててみましたが、わかりません。いずれにしても気持ち悪いので新品に交換しました。
マルツオンラインで購入した 1N5223B (2.7V/500mW) に交換・・・赤く光りません、これが正常です(*^^)v
聴けば聞くほど、気持ちよい解像感です。それは仕様による驚異的な低歪み率が貢献しているのでしょうか。
あとは、中の汚れが気になりますね。どうしましょうか。つづく・・・
* * *
【VICTOR A-X900 ¥79,800(1985年)の仕様】
<回路方式>
イコライザーアンプ部ICL、初段EL-FETMC/MMデュアルスロープDCサーボ・ハイゲインイコライザーアンプ
パワーアンプ部Gmサーキット+ダイナミック・スーパーAハイゲインパワーアンプ
電源部ダイレクトパワーサプライ(パワー段)
<総合特性>
実効出力(DAD、Tuner、Aux、Tape→SPout)150W+150W(20Hz~20kHz、8Ω、THD0.003%)
160W+160W(1kHz、8Ω、THD0.0005%、ByJVCAudioAnalyzeSystem)
全高調波歪率(実効出力時)DAD、Tuner、Aux、Tape→SPout:PhonoMM→SPout:0.003%(20Hz~20kHz、8Ω)
0.0005%(1kHz、8Ω、ByJVCAudioAnalyzeSystem)
0.007%(20Hz~20kHz、8Ω、Vol-30dB)
混変調歪率0.001%(60Hz:7kHz=4:1、実効出力時、8Ω、DAD、Tuner、Aux、Tape→SPout)
スイッチング歪0
TIM歪0(LPFfc=100kHz)
出力帯域幅5Hz~60kHz(IHF、両ch動作時、8Ω、THD0.05%、DAD、Tuner、Aux、Tape→SPout)
周波数特性3Hz~100kHz+0-3dB(DAD、Tuner、Aux、Tape→SPout)
ダンピングファクター80(1kHz、8Ω、DAD、Tuner、Aux、Tape→SPout)
入力感度/インピーダンス
(1kHz)PhonoMM:2.5mV/47kΩ
PhonoMC:200μV/100Ω
DAD、Tuner、Aux、Tape:200mV/39kΩ
SN比PhonoMM:86dB(IHF-Aショートサーキット)
83dB(新IHF)
PhonoMC:70dB(IHF-Aショートサーキット、250μV入力)
75dB(新IHF)
DAD、Tuner、Aux、Tape:110dB(IHF-Aショートサーキット)
92dB(新IHF)
トーンコントロールBass:±8dB(100Hz)
Treble:±8dB(10kHz)
サブソニックフィルター18Hz、-6dB/oct
ラウドネス+4dB(100Hz)
ミューティング-20dB
<イコライザーアンプ部(Phono→Recout)>
Phono最大許容入力PhonoMM:150mV(1kHz、THD0.002%)
PhonoMC:11mV(1kHz、THD0.003%)
RIAA偏差20Hz~20kHz±0.2dB(MM、MC共)
全高調波歪率PhonoMM:0.002%(7V出力時、20Hz~20kHz)
PhonoMC:0.008%(7V出力時、20Hz~20kHz)
出力電圧/インピーダンスRecout:200mV/660Ω
<その他>
電源コンセントswitched:2系統
unswitched:1系統
電源AC100V、50Hz/60Hz
定格消費電力225W(電気用品取締法)
外形寸法幅435x高さ149x奥行406mm
重量12.6kg