最近、少し手直しするだけでまだまだ使えると思われる古いレコードプレーヤーがリサイクルショップのジャンクコーナーで放り投げられており、そのままではさらに壊れていきそうでしたので、DIYで復旧させるため購入してきました。
両方ともウェイト部分をまわしても前後に動かず空回りする現象が発生していました。
ウェイトを外してみますと、金属製の重りと、ガイドとなっている樹脂製のスリーブがスカスカになっていたり、ゴムが硬化していたりと経年劣化によるものでした。
ひとつはビクター QL-F5です。
これは寒い部屋に置いてあるときだけウェイトが空回りするというものです。原因は温度による樹脂部分の収縮でした。ポリプロピレンのようですが、温度をかけたり冷凍庫に入れて冷やしたりしてみると結構膨張収縮するのです。
最初は金属側が膨張収縮しているのかと疑いテストしてみたのですが変化なく、樹脂側を試すとビンゴーでした。むかし学校で金属の膨張収縮の実験を多くした記憶がありましたから頭になくてびっくりです。
ビクターの錘
20度ぐらいの環境ではガチガチで外れる気配は一切ないが、冷凍庫に入れて、物が5℃以下に冷やされるとスカスカになってポロリと外れる。
外れたところに両面テープを貼るところ
両面テープだとテープの基材がしばらくは弾力を持ち異なる物体の動きにも追従するかなぁと思っているだけ。
こんな感じにして、外れればまた貼ればよい
接着完了、あとは目盛り部分をパチッとはめるだけ
5℃以下にしてもガッシリ、しっかり機能します。というか5℃以下でオーディオ使うなよ!仕様上からも外れる温度ですしてか
レコード針のダンパーも固くなり、歪みが多くて聞ける状態でなくなりますしね。
もう一台は Pioneer PL-1050W です。
金属と樹脂のあいだを厚みのあるゴムバンドをかましている構造のウェイトでした。これは、ゴムバンドが硬化気味でスリップしていました。
そんな場合は、両面テープか、ポリプロピレン樹脂も着くような高性能ボンドを使うのが良いと思います。
ボンドで失敗してはいけないポイントは、本来空回りするべきの目盛り部分を固着させないことです。そのためには、目盛り部分につかない場所を選び、最小限のボンドで固定するのが良いです。
修理部品もない古いレコードプレーヤーでも、原始的な機械が多く、少しのDIYで使えるようになるところに魅力を感じますね。