先日北海道の雪まつりに出かけた際、手持ちレコーダーでステージの音録りをしているメディア関係者をみた。TASCAMに風防を付けて試し録りをしているようだった。
そういえば・・・
十代のころ、ラジカセたるものを買って、うれしくてラジオ以外に生の音も録ってみようと、録音に関する本を参照しながら見様見真似で生録をしていた時があった。
自然界の音だけでなく、鉄道の音も録ったりしていたが、いつの間にか廃棄したのか?もう手元に見当たらない。
阪堺電車のモーター音はレトロな大きな音を出すのでいい具合に録れたのを思い出した。
そうだ!再び録れるかな。
(このようなことを思ったのも次の諸条件も重なってきたからかも)
- リニアレコーダー DR-05がある。
- 阪堺電車にトラム型の新車両が近々登場する。
- モ161形は夏場はクーラーがないので録るならいま。
どうせ録るなら昔からしたかった臨場感ある音が録れるというバイノーラルマイクというものを使ってみたい。かつては100万円もしたものである。
調べてみると自分の耳に付けるタイプなら1万円もせずにある。
「第419回:低価格バイノーラルマイクで立体録音にトライ 」
さらにさらに自作すると1千円もかからないような情報がWeb上にいっぱいあった。
その先人たちの情報によると、自作にはパナソニックセミコンダクター社のWM-61Aというコンデンサマイクカプセルが1個100円の安さで音質も大変良いという。ただし、大阪日本橋方面のネット販売を探すが見当たらず、秋葉原の秋月電気通商でのみ取扱いを見つけた。
ちょうど東京出張があるし、その道中に買ってくれば!
(ちなみにネットで買えますが週末には使いたかったので急ぎました)
ということで入手してきました。秋月の「センサー」っていう類の棚にありました。確かにセンサーだな、空気の振動を感じる・・・
材料は揃った。
- マイクカプセル Panasonic 製 WM-61A (秋月電子通商) 2個入り200円
- 密閉型ステレオイヤホン YZ-50-A (フレッツ) 105円
- コニシボンド G17 (コーナン) 100円
- 写真にないが仮固定用にブラシ付プラスチック用瞬間接着剤 105円
イヤホンのゴム部分を外して、継ぎ目部分から分けて分解することにしました。
しかし、なかなか外れません。
爪を継ぎ目に食い込ませていくと片方は何とか外れました。
一応、少量のボンドで固定されているようでした。
これじゃ、爪が丈夫でもめげてします。
プラスチッククレーパーといてもアールになってますし、樹脂製プライヤーなどあればもう少し楽かもと思いつつも、ある程度は傷がついても良いのでペンチなど使っていましたら、先人たちの注意事項にもありましたが、コード付け根部分がもげちゃいました。
失敗で~す。
すぐさま、もう一つ買いました。追加105円也!
再度買ってきた方はボンドがしっかりついていて、さらに外しにくい
爪を入れるので指先が痛くなりながらもなんとか開きました。
中のイヤホンユニットは簡単に出せました。
半田ごてでイヤホンユニットからコードを外しました。
テスターで調べたところ、私の買った個体では、
- Left側が赤色(ホット)銅色(グラウンド)
- Right側が青色(ホット)緑色(グラウンド)
3.5mmミニプラグでが持ち手根元からグラウンド、Left、Rightと先端がRightの端子になっていました。
ここでコードの結び目も外してハウジングからも外し、ハウジングの後ろ部分に音声通過用の穴を数ミリ開けるのがよいです。
穴あけは撮るのを忘れました(最後の写真に外見穴あき後があります)
次、マイクにコードをはんだ付けしますが、コードをハウジングに通すことを忘れないで
マイクカプセルをやんわりとクランプで固定してはんだ付けです。
固定すると小さなはんだ付け部分も簡単になってきます。
難なくはんだ付け完了!
マイクをハウジングに戻しますが、ほんの少しハウジング内に仮固定用に瞬間接着材で仮固定しました。
ブラシ付きのプラスチック用瞬間接着材を使いました。一滴垂らすタイプでは量が多すぎてえらいことになること想像つきましたから。。。
その後、G17ボンドを軽く充填し固定。
分解したハウジングに少量瞬間接着材を付けて戻して完成。
分解作業にペンチなど使いましたので若干傷あります(^^;
まったく巧になってません、実用上差支えなしという出来です。
若干失敗もありましたが1,000円以内で完成していました。
試に録音したところ低音から高音まで変な癖がなく生録用にはいい感じでした。
この後、早速に 阪堺電車 モ161形 の音を録りに行きました。
【WM-61Aのスペックシートより】
マイク感度 (条件 0dB=1V/Pa, 1kHz) : -35+/-4dB
以下英語ですが・・・
Dimensions : 6 x 3.4 mm
Impedance : Less than 2.2kΩ Omnidirectional
Frequency : 20-16,000Hz
Max operation voltage : 10V
Standard operation voltage : 2V
Current consumption : Max 0.5mA
Sensitivity reduction : Within -3dB at 1.5V
S/N ratio : More than 62dB
【2017.10.05追記】
WM-61A は2011年頃製造中止となり、2015年2月に秋月通商の在庫もなくなったそうです。もう復活はしないのでしょうか?簡単に良い音が録れていただけに残念です。
【2020.07.01追記】
ここ1年ほど前からXCM6035 (SPL (Hong Kong) Limited 製) をWM-61A相当ということで販売されています。
Amazonで探してみました
在庫品でしょうか(2024年4月現在)