モンキーの樹脂類はクラックが入りやすいものが多い印象です。
しかも、通常の接着剤では強力な接着が難しいビニルかポリ製の部分もあります。実際に次の2つの部品は、ビニルかポリでした。
実例とチャレンジ場面を写真入りで記録し、あとでやり方を自分自身が忘れないようまとめてみました。
事例
チェーンカバーは樹脂製で、振動により固定部分の周りからクラックが入りやすいです。
テールランプ基台はビニルかポリ樹脂製でレンズ部分のネジを締めすぎるとすぐにクラックが入ってきます。
これらを、クラックが入るたびに新品に交換していてはもったいない。
そこで、クラック下部分を修復できないか試してみることにしました。
ポリかビニル樹脂は通常接着剤では接着しにくい素材で、私はバイクの振動に耐えるような実用上満足な接着効果をみたことがないです。
ところが、DIYなYoutubeを見ていると、時々海外のDIYハウツーで樹脂パーツを簡単にその辺の部材で頑丈に溶着修復するというものがあり、試聴する度に試してみようと思っていたので実行してみました。
ある程度自分なりに省略したアレンジしていますが、基本的なやり方は同じです。
チャレンジしてみた
まずは半田ごて。
100Wと40Wを用意しました。
まずはチェーンカバー、表面的にクラックと欠けがあります。
取り付けた時に目立たない裏側から融着施工をしてみようと思います。
クラック部分を40Wの半田ごてで溶かして溝にしました。
100Wの半田ごてで結束バンドを溶かしながら溝に入れ、溝の周りからもジグザグ状に溶かしながら均す感じです。
この周辺が溶けて融合するようにしました。
他の部分も同じようにして融合させました。
またかけた部分には、結束バンドを溶かして盛りつけました。
これで力を加えても割れる気配はなくなりました。
おもてから見るとこのような状態です。
盛りつけ部分にもっと肉付けもできますが、この辺りにしておきます。
ねじで規定に締めても再びクラックが入る気配はありませんでした。
次にナンバープレートの固定部分。
ベースはレンズを固定するネジの根本にクラックが生じていました。
ナンバープレートを固定するネジ穴部分には大きなクラックが生じていました。
樹脂は圧がかかり続けるといつかこのようになるのですね。
レンズ固定ベース部分のクラック修理後です。
同じように結束バンドを溶かし込みながら融着させた跡はガタガタですが、外からは見えないので良い部分です。しっかりと融着できれば良いのです。
下の写真でクラックがあるように見えるのは、上のしゃしんのとおり裏側で融着させているからです。
見える面は融着跡を見せたくなかったので、今回は触っていませんがレンズを取り付けてもしっかりと接着固定できています。
ナンバープレート部分は、割れ目が離れるほどに重症でしたので、ダイソーの針金(銅)でぐるぐる巻きにして、とりあえず引っ付いた状態にして作業をしました。
これも同じように半田で溝を掘って、結束バンドを溶かし込み、ジグザグに周囲を混ぜて融着させました。
補強の銅線をはずしてもクラックは入りません。
しっかり接着しました。
実際にボルトで固定しました。
一か所に圧がかかるのを防ぐため大きめのワッシャーを付けてあります。
他の車体の例をみると、もっと大きな板を付けているのもあったので、その方が良いのかもしれませんが、容易に対処できるもので行いました。
あまり固く締め付けないことです。
そのため緩み防止のナットで締めました。
まとめ
用意するもの
- 20W半田ごて
- 100W半田ごて
- 結束バンド
私のやり方
樹脂は外見から見えない裏側を溶着する方法です。仕上げの状態で溶着面はガタガタになりますが、元より頑丈なぐらいでした。
- クラック部分を20W半田ごてで溶かしながら掘り下げていきます。ワット数の小さな先の細い半田ごてを使うことで、調整しながら少しずつ掘り下げが可能です。
- 掘り下げた溝を結束バンドを半田のようにして溶かしながら流し込んでいきます。
- さらに結束バンドも溶かしながら溝に対して回りの樹脂も溶かしつつジグザクに埋めていきます。
コツは、しっかり溶着していくことです。樹脂が溶けると周りに着いた感じがしますが、これでは軽く溶着しているだけなので簡単に外れます。
最終的にはジグザグにするところでしっかり新旧樹脂を混ぜる感覚で溶着することです。
たったこれでだけ。
最後に、軽く均します。
以前、このような発想で溶着させたことがありますが、元より弱くなり実用的ではなかったのであきらめた方法でした。今回のことで新しい新鮮な樹脂が足りていないだけだったということでしょう、結束バンドの樹脂を補充溶着して頑丈にするというものです。
慣れれば簡単な非常に作業で修復が完了します。
これで再び割れても再度融着補修することで何度かは復活させることができるでしょう。
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今回使用した100W半田ごてはこて先に少々の平があり、均すために使いやすい